公開ワークショップ「マリア崇敬と人・社会・芸術:アジア、アフリカ、ヨーロッパ地域横断的研究の視点から」

イベント概要

日時・場所
  • 2025年9月2日(火)
  • 14時00分~17時00分
  • 京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
お問い合わせ先
  • 京都大学アフリカ地域研究資料センター

    Tel:075-753-7803
  • caasas@jambo.africa.kyoto-u.ac.jp

内容

アフリカ、アジア、欧州を横断する宗教性を束ねる重要な事象の一つに、マリア崇敬文化、芸術がある。カトリックにおけるマリア信仰は、長らく教義的・典礼的な枠組みの中で展開してきたが、現代ではその枠を超え、他宗教の信徒やスピリチュアル志向の個人によっても受容される現象となっている。キリスト教に伴いながらも、イスラーム世界や欧州、アフリカ、アジアの異なる文化圏においても様々な語りや事象に基づき民間信仰や地域伝統的な祭事と結びつきながら各地で発展してきた。
ルルドやメジュゴリエといった巡礼地は今も訪れる人を絶やさない。マリアの聖性や奇蹟として描かれるのは、各地の教会や「聖地」における肖像や偶像、水源などを「母体」としつつ、信者が手にとることができるメダルや肖像、ミニチュアやアイコンといった「もの」に至るまで、大小の事象や、音や語り、夢などといった信者ひとりひとりの経験や体験、語りに基づく経験が含まれる。こうした事象や経験こそ、表象や説話を生む場として、通時的にマリア崇敬の文化や芸術を形成する重要な要素として機能してきた。
本ワークショップでは、芸術、人類学、社会学、社会心理学と言った異なる分野の専門家が、マリア崇敬・崇拝に関し、地域研究、芸術研究等学際的な知見から対話することで、欧州、アフリカ、アジアを繋ぐ宗教・文化・芸術表象としてのマリア崇敬の特徴について理解を深めることを目的とする。

日時・場所

2025年9月2日(火)
14時00分~17時00分
京都大学稲盛財団記念館3階中会議室

プログラム

◆議題提起◆
「聖母マリア研究の現状と課題――グローバルな女神/女霊信仰の再編成に向けて」
樫尾 直樹 (慶應義塾大学 文学部 人文社会学科)

◆セッション1 芸術・歴史・社会を横断する宗教性◆
「聖母の起源と黒い聖母」宮下規久朗 (神戸大学大学院人文学研究科)
「教会の象徴としての聖母イメージの形成ー5世紀から11世紀を中心にー」桑原夏子 (京都産業大学 文化学部)
「かくれキリシタンの聖母像ーマリア観音とお掛け絵」宮川由衣 (西南学院大学 博物館)

◆セッション2 脱領域化する聖母 美術・地域研究・実装研究◆
「『日本の聖母』を求めて―カトリック美術協会の画家たちと宣教美術」古沢ゆりあ (国立民族学博物館)
「『マリア』の範疇とイスラ―ム世界の『聖女』崇敬—マルヤム、ファーティマ、マム・ジャーラ」阿毛香絵(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科)
「祈りとケアの臨床心理学 ーマリア崇敬にみるスピリチュアリティの社会実装ー」廣田奈穂美 (筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター)

【コメンテーター】
藤原久仁子 (甲子園大学 栄養学部食創造学科)

対象

どなたでもご参加いただけます。

お申し込み

ZOOM参加希望は事前登録⇒https://note.com/resm/n/n7aaf40450dcc

主催

科研費 基盤研究B「アフリカ・アジアの実践宗教による「下から」の政治プラクティスに関する人類学的研究」(23K25443)

共催

京都大学アフリカ地域研究資料センター

お問い合わせ先

京都大学アフリカ地域研究資料センター

Tel:075-753-7803
caasas@jambo.africa.kyoto-u.ac.jp

ご注意・備考

会場併設の駐車場では、一般の方の駐車スペースを設けておりません。ご来場の際には、公共の交通機関をご利用くださいますよう、よろしくお願いいたします。