重田 眞義
研究概要
アフリカ農業における諸問題をヒト−植物関係論 [農業科学、人類学、生態学、栽培植物起源学、民族植物学（エスノボタニー）、ドメスティケーション論 など] の立場から考察してきた。 アフリカの人々によって培われてきた文化的資源としての有用植物とそれに関する民俗知識の分析を通じて地域社会における発展の問題に取り組んでいる。
経歴
1956年生まれ
1981年 京都大学農学部農林生物学科卒業
1981-83年 ナイロビ大学農学部作物学科留学
1985年 京都大学大学院農学研究科修士課程修了
1988年 京都大学大学院農学研究科博士課程研究指導認定
1988年 京都大学アフリカ地域研究資料センター助手
1992年 京都大学農学博士
1992年 日本学術振興会ナイロビ駐在員
1993年 JICA専門家（アジスアベバ大学博物館）
1998年 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教授
2007年 京都大学大学院アジア･アフリカ地域研究研究科准教授
2008年 京都大学大学院アジア･アフリカ地域研究研究科教授
2010年 京都大学アフリカ地域研究資料センターセンター長（～2012年3月）
2016年 京都大学アフリカ地域研究資料センターセンター長（～2020年3月）
2020年 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 研究科長（～2022年3月）
所属学会
日本文化人類学会
日本アフリカ学会
日本ナイル・エチオピア学会
生き物文化誌学会
業績欄
著書・編著書
・Shigeta, M and M, Kaneko. 2017. “ZAIRAICHI (Local Knowledge) as the Manners of Co-existence: Encounters between the Aari Farmers in Southwestern Ethiopia and the ‘Other’”, GEBRE Yntiso et al.(eds.), African Virtues in the Pursuit of Conviviality: Exploring Local Solutions in Light of Global Prescriptions, Bamenda: Langaa RPCIG, pp. 311-338.
・重田眞義・伊谷樹一 (編)，太田 至 (シリーズ総編集)，2016.『争わないための生業実践：生態資源と人びとの関わり』京都大学学術出版会．
・重田眞義，2016.「争わないための作法：生業と生態をめぐる潜在力」重田眞義・伊谷樹一 (編)，太田 至 (シリーズ総編集),『争わないための生業実践：生態資源と人びとの関わり』京都大学学術出版会，pp. 333-353．
・重田眞義・金子守恵，2016.「共存の作法としての在来知：エチオピア西南部に暮らす農耕民アリと『他者』との出会い」松田素二・平野（野元）美佐 (編)，太田 至 (シリーズ総編集),『紛争をおさめる文化：不完全性とブリコラージュの実践』京都大学学術出版会，pp. 277-310．
・Shigeta, M., M. Hebo and M. Nishi (eds.) 2014. Livelihood, Development, and Local Knowledge on the Move (African Study Monographs, supplementary issue No.48), Center for African Area Studies, Kyoto University.
・重田眞義，2014.「在来農業」松田素二 (編),『アフリカ社会を学ぶ人のために』世界思想社，pp. 240-253．
・重田眞義，2014.「栽培植物」日本アフリカ学会 (編),『アフリカ学事典』昭和堂，pp. 566-569．
・重田眞義，2014.「地域研究」日本アフリカ学会 (編),『アフリカ学事典』昭和堂，pp. 570-583．
・Kaneko, M and M. Shigeta (eds.) 2013. Gender-based Knowledge and Techniques in Africa (African Study Monographs, supplementary issue No.46), Center for African Area Studies, Kyoto University.
・重田眞義・金子守恵 (編)，2013.『ZAIRAICHI』京都大学アフリカ地域研究資料センター．
・重田眞義，2012.「穀物〔アフリカ〕grain〔Africa〕」東長 靖・石坂晋哉 (編),『持続型生存基盤論ハンドブック（講座 生存基盤論 第6巻）』京都大学学術出版会，pp. 272-273．
・Shigeta, M., B.A. Tarsitani and S. Tarsitani. (eds.) 2010. Preserving Local Knowledge in the Horn of Africa: Challenges and Prospects for Collaborative Research in Oral Literature, Music and Ritual Practices. African Study Monographs Supplementary Issues, No. 41:1-151 .
・高田公理・堀忠夫・重田眞義編、2008.『睡眠文化を学ぶ人のために』世界思想社, 267頁．
・Shigeta, M. and Y. D. Gebre (eds.) 2005. Environment, Livelihood and Local Praxis in Asia and Africa. African Study Monographs, Supplementary Issues, No. 29: 1-215.
・高村泰樹・重田眞義編、1998.『アフリカ農業の諸問題』, 京都大学学術出版会, 364頁．
・Brandt S., Anita Spring, Clifton Hiebsch, J. Terrence McCabe, Endale Tabogie, Mulugeta Diro, Gizachew Wolde-Michael, Gebre Yntiso, Masayoshi Shigeta, and Shiferaw Tesfaye 1997. The Tree against Hunger, American Association for the Advancement of Science, v+56p, Co-authored with S. Brandt et al.
・Shigeta, M., K. Fukui and E. Kurimoto (eds.) 1997. Ethiopia in Broader Perspective, Shokado Book Sellers, Vol. 1: 728p. Vol. 2: 815p. Vol. 3: 892p.
論文等
・Kaneko, M., Shigeta, M., 2024. Progress report for component 3 from November 2022 to August 2023. “ZAIRAICHI 7, MNGD Special issue 05-Making Networks for Glocal Development”. 11-22.
・Kaneko, M and Shigeta, M. 2020. Introduction to This Special Issue: “Making Networks for Glocal Development”. “ZAIRAICHI 2, MNGD Special issue 01-Making Networks for Glocal Development”. 1-5.
DOI: 10.14989/251184
・Kaneko, M and Shigeta, M. 2020. Kyoto University’s Research and Education in Ethiopia with a Focus on South Omo Zone. “ZAIRAICHI 2, MNGD Special issue 01-Making Networks for Glocal Development”. 13-19.
DOI:10.14989/251186
・Kaneko, M and Shigeta, M. 2020. Overview of the Component 3, Social Implementation in 2019. “ZAIRAICHI 2, MNGD Special issue 01-Making Networks for Glocal Development”. 21-28.
DOI:10.14989/251187
・Kaneko, M, Ikeda, A and Shigeta, M. 2020. Outreach Activities Undertaken in the MNGD Project in 2019. “ZAIRAICHI 2, MNGD Special issue 01-Making Networks for Glocal Development”. 37-45.
DOI:10.14989/251189
・Shigeta, M. and M. Hebo, 2014. Continuity and Change in The Rights of Arsii Oromo Women to Property in West Arsii, Ethiopia, Nilo-Ethiopian Studies 19, pp. 1-14.
・重田眞義，2013 「木を切ってしまった人びと：アフリカの開発と自然」 『ビオストーリー』Vol.20，生き物文化誌学会，pp. 10-13.
・重田眞義，2013 「アフリカの眠り」 『旅の文化研究所 まほら』No.75 (2013.4)，芳林社，pp. 20-21.
・重田眞義，2012 「雑のフィロソフィー」 『生き物文化誌学会 BIOSTORY』vol.17 (2012.5)，誠文堂新光社，p. 107.
・Shigeta, M. and E. Bekele, 2011. Phylogenetic relationships between Ensete and Musa species as revealed by the trnT trnF region of cpDNA, Genetic Resources and Crop Evolution 58, pp. 259-269.
・2009.「ヒトー植物関係としてのドメスティケーション」『ドメスティケーション—その民族生物学的研究-』山本紀夫編, 国立民族学博物館調査報告No.84．pp.71-96.（査読有）
2008.「序論」『エチオピアにおける薬用植物の現状と可能性』国際農林業協働協会（JAICAF）編．pp. 1-8.
・2008.「エチオピアにおける薬用作物の利用, 保全, 生産, 流通」『エチオピアにおける薬用植物の現状と可能性』国際農林業協働協会（JAICAF）編, pp. 18-51. （エンダシャウ・ベケレと共著）
・2008.「社会学からのアプローチ」高田公理, 堀忠夫, 重田眞義編『睡眠文化を学ぶ人のために』世界思想社．pp. 164-178.
・2008.「睡眠文化を学ぶ人へ」高田公理, 堀忠夫, 重田眞義編『睡眠文化を学ぶ人のために』世界思想社．pp. 212-223.
・2004.「エチオピア起源の作物"エンセーテ"の多様性を守る人々の営み」遺伝, 58巻５号：80-84.
・2004.「エチオピア高地の定期市---コーヒーの葉とエンセーテを交換する」『山の現在』, 梅棹忠夫＋山本紀夫編, 岩波書店, pp. 197-206.
・2004.「嗜好品とともにすぎゆくエチオピア高地の一日」『嗜好品の文化人類学』, 高田公理・栗田靖之・CDI編, 講談社選書メチエ, pp. 116-125.
・2004. 「エチオピア女性のひとり旅：巡礼の非宗教的意義」旅の文化研究所報告No.13：1-16頁.
・2003.「雑穀のエスノボタニー：アフリカ起源の雑穀と多様性を創り出す農耕文化」『雑穀の自然史』, 山口裕文・河瀬真琴編, 北海道大学図書刊行会, pp. 206-224．
・2003.「日本のねむり衣の歴史」『ねむり衣の文化誌』睡眠文化研究所・吉田集而編, 冬青社, pp. 35-57.（鍛冶恵と共著）
・重田眞義・高橋直美、2003.「ねむり衣の国際比較―眠るときに何を身につけていますか？」『ねむり衣の文化誌』睡眠文化研究所・吉田集而編, 冬青社, pp. 76-98.
・2002.「根栽型作物からみたアフリカ農業の特質：バナナとエンセーテの民族植物学的比較」, アジア・アフリカ地域研究, 第２号：44-69．
・2002.「アフリカにおける持続的な集約農業の可能性：エンセーテを基盤とするエチオピア西南部の在来農業」『アフリカ農耕民の世界』, 掛谷誠編, 京都大学学術出版会, pp. 163-195．
・2002.「エチオピア高地の定期市---コーヒーの葉とエンセーテを交換する」科学, 12月号：1248-1252．
・2001.「アフリカ研究と「開発」--研究と実践の実りある関係を求めて」アフリカ研究, 59: 23-28.
・1998.「アフリカ農業研究の視点−アフリカ在来農業科学の解釈を目指して」高村泰樹・重田眞義編『アフリカ農業の諸問題』, 京都大学学術出版会, pp. 261-285.
・Shigeta, M.,1997. Essence of indigenous sustainability and diversity: Ensete system, In Ethiopia in Broader Perspective, Shokado Book Sellers, Vols. 3, pp. 883-892, eds. K. Fukui, E. Kurimoto & M. Shigeta.
・1996.「熱帯アフリカ高地における栽培植物と環境利用-エチオピア高地を中心に-」, Tropics, Vol. 5(3): 151-160.
Shigeta, M.,1996. Creating landrace diversity: The case of the Ari people and ensete (Ensete ventricosum) in Ethiopia, In Redefining Nature: Ecology, Culture and Domestication. Berg Pub. Ltd. pp. 233-268, eds. R. Ellen & K. Fukui.
・山本 紀夫・岩田 修二、1996. 「熱帯高地とは-人間の生活領域としての視点から-」, Tropics, Vol. 5(3): 135-150．
・Shigeta, M.,1996. Multipurpose utilization of enset among the Ari in southwestern Ethiopia, In Enset-Based Sustainable Agriculture in Ethiopia, Institute of Agricultural Research, Addis Ababa, pp. 121-131, eds. Tsedeke A. et al.
・1995.「エンセーテの酒-エチオピア-」, 『酒造りの民族誌』, 山本紀夫・吉田集而編, 八坂書房, pp. 75-82．
・1995. 「大地の恵みを飲む-アフリカの雑穀の酒-」, 『酒造りの民族誌』, 山本紀夫・吉田集而編, 八坂書房, pp. 83-90．
・1995.「品種の創出と多様性の維持をめぐるヒト−植物関係」『講座地球に生きる４：自然と人間の共生−遺伝と文化の共進化』福井勝義編, 雄山閣出版, pp. 143-164．
・1995.「エティオピア：開発援助と文化人類学者の役割」国際協力事業団年報, 国際協力事業団編, 国際協力出版会: 59．
・1994.「科学者の発見と農民の論理-アフリカ農業のとらえかた-」『文化の地平線』井上忠司・祖田修・福井勝義編, 世界思想社, pp. 455-474．
・1993. 「アリ人」『世界の民 光と陰（下）』綾部恒雄監修, 信濃毎日新聞社編, 明石書店, pp. 103-112．
・1992.「ヒトとエンセーテの共生的関係」季刊民族学59：100-109．
・1991.「エチオピア西南部におけるエンセーテの品種保存」『ヒトの自然誌』, 田中二郎・掛谷誠編, 平凡社, pp. 213-231．
・1988.「ヒト−植物関係の実相：エチオピア西南部オモ系農耕民アリのエンセーテ栽培と利用」季刊人類学, 19巻1号：191-281．
・1987.「認知・実用・雑草性－南部スーダン・アチョリ地域におけるヒト－植物関係」アフリカ研究, 31：25-60．
プロジェクト
科学研究費補助金（基盤研究A）「アフリカ在来知とそのポジティブな実践」（平成18年度-平成22年度）
その他（受賞・学外委員・社会活動等）
平成22年 外務大臣表彰受賞
NPO法人アジアとアフリカをつなぐ会 代表