遊牧の思想:人類学がみる激動のアフリカ
太田至・曽我亨(編)
上製本:x, 376 p.
出版社:昭和堂
ISBN-13:978-4812218242
サイズ:A5
発売日:2019年3月30日
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昭和堂
内容
アフリカの遊牧民に魅せられた人類学者たちによるアンソロジー。筆者たちがアフリカの遊牧民に惹かれる最大の理由は、その「ブレない生き方」にあるという。家畜とともに生きるために無駄をそぎ落とした牧畜社会のしくみ。灼熱の地を歩き続ける強靭な肉体。そして彼らは誇り高く、自分たちの生き方にゆるぎない自信を持っている。ときに傲岸不遜で挑発的、排他的にも映る彼らの自己肯定的で自信に満ちた生き方は、なんともカッコいい。彼らの虜になった人類学者たちは、それがどこから来るのか、どう理解したらよいのか解明したいとフィールドワークに取り組んできた。そして彼らの生き方が、私たち日本人とは真逆のようであり、同時に共通点があることも感じてきた。彼らから学んだことが、同じ激動の時代に生きる私たちにとってどんな意味を持つのか、読者とともに考えたい。
目次
第I部 牧畜という生き方
第1章 |
自己肯定的な生き方を支えているもの |
第2章 |
ねだられることを許す |
第3章 |
交歓と相互承認の創出 |
第4章 |
難民を支えたラクダ交易 |
第5章 |
もめごとを祖霊の世界に託して |
第II部 紛争を乗り切る
第6章 |
国家に頼らない遊牧民の生き方 |
第7章 |
身体と暴力 |
第8章 |
敵と友のはざまで |
第9章 |
「男らしさ」を相対化する |
第10章 |
交渉の決裂と離別 |
第III部 グローバリゼーションに向き合う
第11章 |
伝統の「便宜的」な使い方 |
第12章 |
「マサイの戦士」の旅の終わり |
第13章 |
生計戦略の多様化 |
第14章 |
「大富豪」世帯の父と息子の折衝 |
第15章 |
開発のための家畜 |