近藤有希子(Yukiko KONDO)
助教

担当講座:社会共生論

これまで私は、1990年代前半に凄惨な紛争と虐殺を経験したルワンダ農村社会において、人びとが生存のための社会関係をいかに再/構成しているのかを考察してきた。具体的には、(1)生活の基盤となる関係性の再編過程における結合と分断、(2)軍事化する環境下に生きる若者たちの未来と選択、(3)人びとの沈黙や語りえない情動が導く共在のあり方について分析した。現在の関心は、紛争と虐殺の非体験者が人口の大半を占めつつあるなかで、世代を越えた記憶の分有を事例研究として積み重ねることを通して、紛争の再発を抑止する可能性を思考することにある。さらに今後は、ルワンダを含むアフリカ大湖地域にも視野をひろげて、地域的な秩序のあり方について検討したいと考えている。

〔アフリカ地域研究演習Ⅰ~Ⅳ、アフリカ論課題研究Ⅰ~Ⅲ、アフリカ地域研究公開演習、アフリカ臨地演習Ⅰ~Ⅲ〕

専門分野

人類学、アフリカ地域研究

キーワード

国家と民族間関係、セキュリティと平和、情動と沈黙、家族と土地、ルワンダ、アフリカ大湖地域

経歴

  • 2010年

    京都大学農学部・卒業

  • 2010年

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・入学

  • 2012~2015年

    日本学術振興会特別研究員

  • 2017年

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・研究指導認定退学

  • 2017〜2019年

    日本学術振興会特別研究員(PD)

  • 2019年

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・修了

  • 2019年

    日本福祉大学国際福祉開発学部・助教

  • 2019年~現在

    桜花学園大学保育学部国際教養こども学科・非常勤講師

  • 2020年〜現在

    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・助教

所属学会

  • 日本アフリカ学会
  • 日本文化人類学会

著書・編著書

  1. 萩原卓也・近藤有希子・安念真衣子(共編著). 2014.『「開発」プロジェクトの現前化―ケニア、ルワンダ、ネパールにおける個人の生活世界の再編に着目して―』京都大学学際融合教育研究推進センター総合地域研究ユニット臨地教育支援センター.

学術論文他

  1. 近藤有希子. 2020.「沈黙する発話、情動する身体―ルワンダに生き残る暴力の記憶と痛みへの想像力―」『立命館大学生存学研究』4: 77-97.
  2. 近藤有希子. 2019.「悲しみの配置と痛みの感知―ルワンダの国家が規定するシティズンシップと人びとのモラリティ―」『文化人類学』84(1): 58-77.
  3. 近藤有希子. 2019.「現代ルワンダの親密性―継続する暴力下に生きる人びとの沈黙と応答能力の可能性―」京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士論文.
  4. 近藤有希子. 2018.「暴力下のルワンダ農村社会における沈黙の共同性に関する人類学的研究―安全への希求をめぐる生存実践の検討から―」『Annual Report of the Murata Science Foundation』32: 313-321.
  5. 近藤有希子. 2018.「農地から軍隊へ―現代ルワンダ農村社会を生きる彼女たちの未来と選択―」『スワヒリ&アフリカ研究』29: 38-63.
  6. 近藤有希子. 2015.「沈黙のなかの親密性―ルワンダ南西部における『家族』の再編過程をめぐって―」『アフリカ研究』88: 13-28.
  7. 近藤有希子. 2014.「太鼓の轟く丘で―ルワンダ農村部における政治的介入という経験―」萩原卓也・近藤有希子・安念真衣子(共編著)『「開発」プロジェクトの現前化―ケニア、ルワンダ、ネパールにおける個人の生活世界の再編に着目して―』京都大学学際融合教育研究推進センター総合地域研究ユニット臨地教育支援センター, 31-39

その他

  1. 近藤有希子. 2020.「哀惜のけしき―中村哲先生の訃報に接して―」『同窓会報』西南学院, 87: 11.
  2. 近藤有希子. 2019.「紛争後社会―生き残りの悲しみ―」松本尚之・佐川徹・石田慎一郎・大石高典・橋本栄莉編『アフリカで学ぶ文化人類学―民族誌がひらく世界―』昭和堂, 240-241.
  3. 近藤有希子. 2018.「ブルンジ」「ルワンダ」(編集協力)中村和郎、次山信男、滝沢由美子(監修)『DOOR―208の国と地域がわかる国際理解地図―』帝国書院, 76-79.
  4. 近藤有希子. 2018.「ブルンジ難民とコンゴ難民」(展示パネル)『アフリカの難民・アジアの難民展』聖心女子大学グローバル共生研究所.
  5. 近藤有希子. 2018.「『書く』ことをめぐる断章―ルワンダにおける権威の理解に向けて―」『火曜会通信』63, 同志社大学〈奄美‐沖縄‐琉球〉研究センター.(http://doshisha-aor.net/place/534/)
  6. 近藤有希子. 2016.「紛争後の二元的カテゴリーに抗する女性たちの沈黙と応答能力の可能性―ルワンダ虐殺追悼期間に着目して―」『2015年度竹村和子フェミニズム基金事業成果報告書』.(http://www.takemura-fund.org/data/2015/2015_report_2.pdf)
  7. 近藤有希子. 2016.「ルワンダを知らない子」西本希呼編『科学で旅する世界―フィールドワークの現場から―』春日, 22-24.
  8. 近藤有希子. 2015.「集村化政策にともなうトゥワの到来と近隣住民との社会関係」(ほか計3件)太田至編『アフリカ紛争・共生データアーカイブ 第2巻』京都大学アフリカ地域研究資料センター, 50-52.
  9. 近藤有希子. 2015.「ひとを恃む」『西南学院高等学校広報』37: 3面.
  10. 近藤有希子. 2013.「陽を待つひと」『アジア・アフリカ地域研究』13-1: 86-91.
  11. 赤坂賢・近藤有希子. 2013.「ブルンジ」「ルワンダ」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館クリエイティブ.
  12. 近藤有希子. 2012.「沈黙の保ちかた」『アジア・アフリカ地域研究情報マガジン』112.(https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2012_10.html)

主な研究プロジェクト

  • 2019~2020年度 独立行政法人日本学術振興会科学研究費基金(研究活動スタート支援)「現代ルワンダにおける暴力の記憶の分有と継承に関する人類学的研究」(研究代表者)
  • 2017~2018年度 独立行政法人日本学術振興会科学研究費補助金(特別研究員(PD)研究奨励費)「アフリカ大湖地域における多元的な歴史の生成と暴力に抗する共生社会に関する研究」(研究代表者)
  • 2016年度 公益財団法人村田学術振興財団研究助成(人文科学)「暴力下のルワンダ農村社会における沈黙の共同性に関する人類学的研究―安全への希求をめぐる生存実践の検討から―」(研究代表者)
  • 2015年度 一般財団法人竹村和子フェミニズム基金助成事業「紛争後の二元的カテゴリーに抗する女性たちの沈黙と応答能力の可能性―ルワンダ虐殺追悼週間に着目して―」(研究代表者)
  • 2015年度 公益財団法人日本科学協会笹川科学研究助成「ルワンダ農村社会におけるリスクと不確実性への対処にかんする研究―生存を支える親密な関係性の醸成と維持に向けて―」(研究代表者)
  • 2012~2014年度 独立行政法人日本学術振興会科学研究費補助金(特別研究員(DC1)研究奨励費)「紛争後ルワンダにおける孤児の社会的ネットワークと『家族』の動態」(研究代表者)

招待講演

  1. 近藤有希子. 2019.「沈黙する発話、情動する身体―ルワンダに生き残る暴力の記憶と痛みへの想像力―」国際シンポジウム『共有できない平和/争いが移動する』於立命館大学.
  2. 近藤有希子. 2018.「傷みまでの距離―虐殺後のルワンダで人びとの沈黙に対峙して―」新制西南学院中学校・高等学校開設70周年記念式典『おかえりなさい、夢と未来の西南(ふるさと)へ』於西南学院中学校・高等学校チャペル.